Miss Monday:そういうコミュニケーションは常にあったよね。個性的なアイディアが出てくるから、驚きもあるし。
キヨサク:僕は今回、Salyuちゃんにはじめて会ったんですけど…超面白かった!
Miss Monday:天真爛漫だからね〜(笑)。
SHOCK EYE:俺も聞いちゃったもん、“裸足で歌うの?”って。そしたらけっこう高いヒール履いてて(笑)。もう少し静かなイメージの子かなって思ってたら、全然違ったね。
Salyu:どうしてかなぁ? でも私、わりとそういう風にイメージされがちなんですよね。言葉数が少なくて、ちょっと気難しい、不思議ちゃんなイメージ!?
──ちなみに、裸足では歌わないんですか?
Salyu:歌わないですよ〜(笑)。逆に、家の中でも、姿勢を良くするためにハイヒールを履いてるぐらいなんです。
Miss Monday:そういうやりとりもありつつで、現場が面白い、と(笑)。
キヨサク:だから、お喋りをしながら互いに探り合っていく感じ(笑)。なるほど、こういうこと考えてるんだな〜って。そういう根っこの部分って、かしこまってるとなかなか出てこないもんじゃないですか。今回はそれがなかったからね。Salyuちゃんなんか、レコーディングのときもブースに入って歌うのがイヤだって言って、ミックスのところで歌ってたもんね。その画を見るだけでも面白かった。
Miss Monday:でもすごいよね。それぞれに今までたくさん曲を書き、歌い、いろんな人と関わってきた中で、個性というか独特の匂いがあるわけじゃないですか。それをね、この現場にポンとやって来て、さらっと自然に同じものを目指して表現できてしまう感じが、すごいなぁって、なんか今になってまた感動(笑)。
キヨサク:Kjのトラックもすごいなって改めて思いましたね。僕はトラックに歌を乗せていくっていう作業がはじめてだったんで、延々ループした中で1曲仕上がるのかな、後々展開がくるのかなって、正直ちょっと心配だったんです。でも、いざみんなのパートを埋めていったら、いいとこに隙間があって、それぞれの色もちゃんと出せるんですよね。なるほどこのトラックは素晴らしいぞ、と…建志く〜ん、褒めといたよ〜(笑)。
Miss Monday:柔らかい光が射し込んでくる感じなんだよね。こういう匂いをトラックで出せるっていうのは、まさにKj節ですね。
──晴れてても雨でも、そこに光がある感じ。まるで天気雨みたいな。
SHOCK EYE:そこはポイントだと僕も思ってて。雨って本来、憂鬱なもんだったりするけど、受け止め方によっては楽しいんじゃないかって。そう感じられることがLife is beautifulだしね。今ちょうど梅雨に入る時期だから、ちょうどいいんじゃないですか。雨さえも楽しい『Life is beautifull』(笑)。
Salyu:梅雨が明けてからの強い日差しにも映えますよね。
Miss Monday:サウンド自体が爽やかだからね。
Salyu:瑞々しさを感じてもらえると思うんです。だから、例えばiPodとかに入れて、外でノリノリで聴いてもらうのもいいかも。
──化学反応というよりも、4人の感性が共鳴しあって自然にできた楽曲のような気がしますよね。ちょうどいい浸透圧というか、聴いていて心地がいい。
SHOCK EYE:オーガニックなんだよね。化学物質は入ってない。漢方、みたいな(笑)。即効性はないけど、飲み続けると無敵みたいな。
キヨサク:うん、沁みてく感じだね。
SHOCK EYE:だけど、そこに固執してないから嘘っぽくないというか。ベジタリアンではくて、なるべく野菜食べようと思ってるぐらいの感じ(笑)…ま、充実野菜ってことかな。
キヨサク:うん、充実野菜。…と、こんな話を延々としてるんですよ(笑)。
SHOCK EYE:打ち合わせをしてても、みんなが進んで脱線してたよね。 音楽性について意見をぶつけあうことはほとんどしてないんだけど、どういう性格なのか、どんなふうに笑うのか、そんなことを知る中で、それぞれ発見しあっていったような。だって曲自体の話、あんまりしてないよね?
Miss Monday:してないね〜(笑)。
Salyu:みんなが楽しみながら、だけど真摯に制作に向き合えたんですよね。だからこそ、こんなに素晴らしい曲ができたんだと思う。
SHOCK EYE:肩の力もほどよく抜けてたしね。でも考えてみたら、音楽ってそもそもそうやって作ってた気がするなぁ。みんな長いこと音楽やってる中で、やっぱり時々行き詰まるし、使命感みたいなものが先に立つこともあるし、責任もあるし、家族ができたりとかさ、いろんな側面が出てくるでしょ? そうなると、ただ楽しむだけでは済まないところも出てくる。 それがひとつスイッチを変えるだけで、また同じように楽しめる瞬間がやってくるんだなと、今回はほんと思いましたね。そういえば音楽を始めたときの衝動ってこんな感じだったなって、思い出させてもらいました。
Miss Monday:ものを作るって大変な部分もあるんですけど、それすらも楽しいっていう。みんなが感覚的にぶつかっていけたことで、むしろ建設的な制作ができたんです。レコーディング終わってから、写真撮影なんかしてる時も、相変わらず4人であーだこーだって喋ってて(笑)。その心地よさが、ちゃんと楽曲に表れたってことでしょうね。
キヨサク:気づいたら意思の疎通が自然にできてたんですよ。その結果、自然にできました。天然100%、成分無調整です(笑)。
Miss Monday:そう、ものすごくナチュラルな曲。安心して聴いて下さい(笑)。

インタビュー&文 斉藤 ユカ